2023年劇場鑑賞 ★☆☆☆☆ 映画

『そして僕は途方に暮れる』逃げ続ける男をリアルに映し出した傑作

※アフィリエイト広告を利用しています。

『そして僕は途方に暮れる』アイキャッチ画像

ABOUT THE MOVIE

邦題:そして僕は途方に暮れる(2023)
製作国:日本
監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔、前田敦子、中尾明慶、豊川悦司、原田美枝子、香里奈、毎熊克哉、野村周平
上映時間:122分

公式サイト

シネちゃぶ度チェック

★★★★★:おデブが主役/完全なる癒し!
★★★★☆:おデブが準主役/大活躍!
★★★☆☆:おデブが脇役
★★☆☆☆:おデブがチラリ映る
★☆☆☆☆:全然いない…

予告編&あらすじ

【シネちゃぶ度:★☆☆☆☆】

自堕落な日々を過ごすフリーターの菅原裕一は、長年同棲している恋人・里美と、些細なことで言い合いになり、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。その夜から、親友、大学時代の先輩や後輩、姉のもとを渡り歩くが、ばつが悪くなるとその場から逃げ出し、ついには、母が1人で暮らす北海道・苫小牧の実家へ辿り着く。だが、母ともなぜか気まずくなり、雪降る街へ。行き場を無くし、途方に暮れる裕一は最果ての地で、思いがけず、かつて家族から逃げていった父と10年ぶりに再会する。「俺の家に来るか?」、父の誘いを受けた裕一は、ついにスマホの電源を切ってすべての人間関係を断つのだが――。

公式サイト

ひたすら逃げて、逃げて、逃げまくる男

デブは一人も出てきません。

でも、今年のマイベストに推したい作品です。

素晴らしい!

主人公の菅原裕一は、逃げて、逃げて、逃げまくります。スマホの電源も落とし、恋人、友人、家族…全ての人間関係を断ち切ろうとします。彼のその先には何が待っているのか。

人は一人じゃ生きられない。人生、逃げているだけでは何も変わらない。自分の人生は自分で作り上げていくものだし、ストップすれば現実は何も変わらずに過ぎ去っていく。でも、行動ひとつで現実は変わり、人生が面白くなる可能性が現れる。

人は誰かと関係を持ち、誰かに寄り添い寄り添われ、繋がりというものを維持しながら生きていくもの。本作はそんな繋がりを一切断ち切ろうとした男を俯瞰しながら描いていきますが、その視点に冷淡さはなく、温かみを感じました。

彼は時々振り返ります。その振り返る顔がシーンによって変化する面白さ。

面白くなってきやがったぜ


裕一を演じるKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔がとにかく素晴らしい。

同名舞台から続投してるらしいけど(マエアツや中尾君も)、とても良い顔するんですよ。ほんと見入ってしまいました。役者として十分やっていけるんじゃないでしょうか。次回作が気になります。

脚本・監督を務めるのは、『愛の渦』や『娼年』の三浦大輔。『愛の渦』と言えば、あれですよ。今や引っ張りだこの門脇麦さんが主演のあれですよ。

駒木根隆介さんが全編裸で出演されているエッチな、いや見応えのある必見作品ですよ。

毎回問題作と呼ばれる作品を放ち続ける三浦監督。今後も応援していきたいです。

-2023年劇場鑑賞, ★☆☆☆☆, 映画