ABOUT THE MOVIE
邦題:対峙(2021)
原題:Mass
製作国:アメリカ
監督:フラン・クランツ
出演:リード・バーニー、アン・ダウド、ジェイソン・アイザックス、マーサ・プリンプトン
上映時間:111分
シネちゃぶ度チェック
★★★★★:おデブが主役/完全なる癒し!
★★★★☆:おデブが準主役/大活躍!
★★★☆☆:おデブが脇役
★★☆☆☆:おデブがチラリ映る
★☆☆☆☆:全然いない…
※この記事は本編に一部触れています。未鑑賞の方はご注意ください。
予告編&あらすじ
【シネちゃぶ度:★☆☆☆☆】
アメリカの高校で、生徒による銃乱射事件が勃発。多くの同級生が殺され、犯人の少年も校内で自ら命を絶った。それから6年、いまだ息子の死を受け入れられないジェイとゲイルの夫妻は、事件の背景にどういう真実があったのか、何か予兆があったのではないかという思いを募らせていた。
夫妻は、セラピストの勧めで、加害者の両親と会って話をする機会を得る。場所は教会の奥の小さな個室、立会人は無し。「お元気ですか?」と、古い知り合い同士のような挨拶をぎこちなく交わす 4 人。そして遂に、ゲイルの「息子さんについて何もかも話してください」という言葉を合図に、誰も結末が予測できない対話が幕を開ける──
公式サイト
緊張感漲る4人の会話劇
「対峙」
— シネちゃぶ (@cinechub_loaf) February 17, 2023
銃乱射事件の加害者&被害者側夫婦の4人。事件から6年、辛すぎる人生を歩んできた者同士が、互いに一歩前に進む為に対峙する。密室劇ながら、口撃スレスレの緊張感ある会話と巧みな演出でグイグイ見せ切る。ある「言葉」によって締め括られる対話の終わりとその後の余韻がたまらない。傑作。 pic.twitter.com/n87d4mgE1p
銃乱射事件から既に6年経過したある日。
事件で息子を殺された両親。
犯行後に自殺した犯人の両親。
いまだに心のキズが癒えていない4人が対峙。
一体彼らは何を話すんだろうとドキドキしながら鑑賞。彼らの対話は、互いに憎む気持ちがある中、あくまで冷静に攻撃的にならないように保たれつつ進行していくのですが・・・
本作は、ある意味密室劇であり、丸テーブルで4人が話し合うだけのお話なのですが、カメラショットを巧みに切り替えるなど演出が洗練されていますし、彼らが時に感情を爆発させてしまうシーンを挟むことで会話に緩急をつけるなど、最後まで飽きさせない内容になっています。
会話を聞いているだけで、銃乱射事件の生々しい凄惨な光景が見えて来て辛い。彼らの苦しみがヒシヒシと伝わって来ます。それだけ脚本がしっかりしているということですな。
過去を引きずり前に進めない人たちが、一歩前に進むために対話する。心を癒し合う。全てを吐露して気持ちに整理を付ける。そういう場を設けるのは大切だと思うけど、なかなか難しいんだろうなーと思いながら観ていました。
また、とにかく4人の演技が素晴らしかったです。もう釘付け!特に双方の母親の凄みというか、セリフひとつひとつに我が子への強い愛情が伝わって来てグッときました。
そして、あるワードによって終わりを迎える対話とその後にもうひとつ用意されている会話が印象的で胸熱。ラストは讃美歌が流れ、ちょっとほっこり気分になる美しい終わり方で爽やかな余韻を残します。傑作。
『おとなのけんか』
『対峙』を観ていて思い出したのが、ロマン・ポランスキー監督の『おとなのけんか』(2011)。
子ども同士のケンカを解決するため、ジョディ・フォスター&ジョン・C・ライリー夫婦、ケイト・ウィンスレット&クリストフ・ヴァルツ夫婦という超豪華共演の4人が対話するという似たようなプロットの会話劇です。
『対峙』は内容的にヘビーで笑えないですし4人ともしっかり「おとな対応」していましたが、『おとなのけんか』はもうドロドロの罵り合いに発展しちゃいます。口論がめっちゃエスカレートして面白い!
両者はプロットは似ているものの、見終わった印象はまるで違います。どちらも限られた空間が舞台で、会話によって緊張感あるサスペンスが生まれるという点では同じですけどね。
おデブはいる?
おデブはいません。